白さと明るさにあふれた、中庭のある家。|山形県山形市

暮らしやすさと、
南から差しこむ陽の光と、
白さと明るさにあふれた、中庭のある家。

所在地:山形県山形市
家族構成:4名(夫婦+子供2名)
延床面積:119.25㎡
着工:2014年7月/竣工:2015年1月

土地の形状や未来を見据えてつくった、
採光のための中庭がある家。

この家を建てる前は、実家で同居していました。
その頃は6畳一間の部屋に家族4人で暮らしていたのですごく狭くて暗くて。
長男が小学校に上がる前にはどうしても引越したかったんです。
実家にいた頃はすごく窮屈だったので、家を建てるときにはとにかく明るく、開放的にという思いがありました。

家を建ててからは、子供たちが中庭で遊んでいたりリビングで遊んでいたり、どの場所にいてもだいたいわかる。
1階部分はなるべく死角が無いように、開放的にとういう思いを叶えてもらったので、以前より家は広くなったけど、キッチンにいれば家族が家の中のどの場所にいても存在を感じることができます。
明るさを確保するために提案していただいた中庭や大きな窓のおかげで、陽の光がたくさん入る居心地のよい空間になりました。

当初、客間もつくる予定だったんですがその場所は納戸にしました。
以前は部屋が狭く収納にも苦労していたので、使用頻度の低い客間より、家族に必要なのは収納かなって。

結果的にすごく実用的というか、ストレスの少ない動きができていると思います。
毎日過ごしていて、もっとこうすればよかったなっていうのが本当に思い浮かばないんです。

■中庭に面した大きな窓。いつでも家中に太陽の光を届ける。

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中庭があるなんて、とても素敵ですね。

もともとは山形市内の別の地区に家を建てようかという計画もあったのですが、そこで見つけた候補地はちょっと広すぎて価格が高すぎました。結果的に決めた現在のこの場所は広さ的にもちょうどよく、希望通りの予算に十分おさまる金額で買うことができたので、とても満足しています。

ここは土地の形状が他とは違ってちょっとユニークで、三角形のかたちをした土地なんです。南隣には今は建物が建っていますが、私たちがここを買った当時は空き地みたいな状況になっていました。ですがおそらく将来的にはそこにも建物が立つ可能性が高いだろうと想定していたので、もしそこに建物が建ったとしても太陽の光がきちんと我が家に差し込むような設計にしておこうという思いから、中庭をつくることにしていただきました。

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未来のことまで考えた、素晴らしいご判断ですね。実際、隣には家が建っているけれども、この中庭があって、中庭に面した窓も大きくて、明るさに満ちた室内空間になっている印象があります。

そうですね。中庭に面した南向きの窓はかなり大きなガラスを使っているので、太陽の光がいっぱい入ります。室内の床も、部分的ではありますが中庭の床材と同じ素材に揃えたことで、まるで中庭と一体化したような印象が生まれ、広々として気持ちのいい空間になりました。

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本当に、南側のこの場所は気持ちよさそうですね。

階段下には、この家を建ててから一緒に暮らしはじめた我が家のシーズ犬の犬小屋を置いています。ここはこの家のなかでも特に気持ちのいい場所です。先ほども言ったように、ここは中庭と同じ床材にしてあるので、ガシガシと気兼ねなく掃除ができるので、それもまた気に入っています。

■中庭と同じ床材を使うことで室内との一体感と拡がりが生まれる

貫くテーマは「明るさ」。
光も色も木質もすべて明るく、すっきりと。

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家づくりには、奥様のご要望が強く反映されているとお聞きしました。

「とにかく明るい家にしたい」というのが妻から出された重要なオーダーでしたから、その要望はこの家の隅々まで活かされていますね。たとえば壁、天井、階段の手すりなど、室内空間のほとんどはホワイトで統一されていますし、家具や床材などに使用されている木材の色も明るいベージュ系の材質のものをセレクトしています。もうちょっと深い色の木材を選べばもしかするとまた違った感じで落ち着いた空間になるのかもしれませんが、そうすることよりも「とにかく明るく」ということに徹したしつらえになっています。この家のなかで明るさをやや控えめにしたのは寝室くらいではないでしょうか。さすがに寝室だけは少し落ち着きのある雰囲気にしましたね。

■明るさを意識した白と薄いベージュで統一された室内空間

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他には、奥様からの要望として何かありましたか?

「面倒くさくないこと」というオーダーもあったんじゃないかな? と記憶しています。キッチンは一段低くしようかなんていうアイデアも最初はあったんですが、結果的にはフラットにしてすっきりとしたものになりました。また、間接照明というのも、あまり好きなじゃないので取り入れていません。窓に取り付けるのも、ブラインドよりは洗いやすいカーテンの方がいい。そんなふうに、なにか間接的な工夫があることよりも、ダイレクトで実用的で、面倒くさくなくて、掃除などがパッとできること。ということを好むという妻の感性に、隅々まで対応している家になっていると思います。

それから、重要なオーダーとしては、あともうひとつ、「キッチンからの死角がないこと」というのもありました。つまり、洗いものや料理の最中でも、子どもたちの様子が見わたせることってことですね。これもバッチリです。実際、「すごくよく見える」って言っていますから。

■リビングで遊ぶ子供たちの様子をいつでも見ることができる視線の死角のないキッチン

ダイレクトにつながる水回りと間取り。
実用性に優れた雰囲気のいい生活空間で暮らしを楽しむ。

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では、実際に暮らしてみて「もっとこうしておけばよかった」というような思いはないのでしょうか?

それが本当に、ほとんどないんですよ。
「明るく、雰囲気よく、面倒くさくない」というオーダーがどれもしっかりと満たされているし、何か不満があるだろうかと一生懸命に探してみてもなかなか思い浮かびませんね。
実際、トイレ、キッチン、洗面所、お風呂といった水回りは全部1階にまとめてあって、そのどれもがぐるりと行き来しやすいような動線の設計になっているので、日々、使いやすいし。最初は客間をつくろうかとも思っていましたが、途中で「そんなのはいらない。むしろ収納にしよう」ということに決めて納戸にしたので、お客さんを家に呼ばないというスタンスを明確にできたし、収納も充実したし。基本として、実用的で、本当に、暮らしていてストレスがかからないんです。いい家に仕上がったなあって思っています。

それでも、しいて挙げるとするなら、中2階のスペースでしょうか。ここは実は天井も床材も、日当たり的にも、アクセス的にも一番いい部屋なんですが、今は洗濯物を干すためのスペースとなってしまっているんです。それがちょっともったいないかなあとは思っています。本当はもっと別の使い方ができるのかもしれないなあなんて想像もしますが、それはこれからの楽しみにとっておこうと思います。

■日当たりの気持ち良い中2階。洗濯物が多い子育て期間は大容量物干しスペースに。

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