素材品質
素材品質
長持ちするコツは経年変位を最小限に
当たり前のことですが、木材には強度や粘り強さにばらつきがあります。
全部、一本一本検査して経年変位が少ない構造材で建てることがとても大事です。
しかし、製材工場ではコストと手間がかかる全数検査はほとんど行われていないのが現状です。
強さ
同じ重量で強さを比較すると、木は鉄の約4倍の引張強度、コンクリートの約6倍の圧縮強度を備えており、軽くて強い素材であることがわかります。
通常、地震の力は建物の重さに比例して大きくなるため、重い建物にはより大きな破壊力が加わることになります。同じ大きさの家なら、鉄やコンクリートの家よりも、軽い木でつくった住まいのほうが地震の影響が少ないと言えます。
耐久性
木材の風化速度は1年間に0.03mmで、100年間風雨にさらされたとしても、表面からほんの3mm程劣化するだけです。一方、鉄の劣化は1年間で0.05mm。一般的に使用される2.3mm厚の鉄骨が両面から錆びると、計算上、わずか25年足らずで錆びの塊となります。
断熱性
木は熱を伝えにくく、その断熱性はコンクリートの約10倍、鉄の約500倍にもなります。
木の繊維組織はミクロのパイプのようになっており、その中には身近な物質の中では最も熱を伝えにくい空気が含まれています。
そのため木は断熱性に優れ、断熱材にも匹敵するほどの性能をそなえています。
調湿機能
木は、周囲の湿度が高い時には湿気を吸収し、低い時には水分を放出して、湿度を自然に調整します。木には、天然の空調装置のような働きがあるのです。
耐火性
木材の表面に着火した場合、それが内部に燃えすすむスピード(炭化速度)はわずか0.6~0.8mm/分程度と言われています。しかも、表面に炭化層が形成されて内部への酸素の供給が断たれるため、断面の大きな材の場合、中心部まではなかなか燃えない性質を備えています。
鉄はある一定の温度を超えると、急激に強度が低下する性質を持っています。
火災から10分経った時に鉄の強度が20%以下まで落ちるのに対し、木の強度は炭化層の働きで約80%に保たれます。
火災時において「木造より鉄骨住宅のほうが怖い」と言われるのはそのためです。
現場の消防士は、強度の低下が危険であることを実体験から学んでいます。
健康
最近では、木造校舎の良さが改めて見直されています。鉄筋コンクリート造の校舎に比べ、木造校舎では学級閉鎖の割合が約半分という調査結果があり、木造校舎の学校ではインフルエンザによる学級閉鎖が少ないこともわかっています。
木製、金属製、コンクリート製の飼育箱で、生まれたばかりのマウスの生存率と成長率を比較した実験があります。
木製では生存率が85%でしたが、金属製では41%、コンクリート製ではわずか7%という低さでした。
さらに、発育面でも木製では順調で、金属製、コンクリート製では劣っていたという結果が認められています。