同居前よりさらに仲良く。家族にちょうどいい距離感の二世帯のかたち。|山形県寒河江市

同居前よりさらに仲良く
家族にちょうどいい距離感の二世帯のかたち

所在地:山形県寒河江市
家族構成:(親世帯)ご夫婦+(子世帯)ご夫婦&お子さま
延床面積:221.51㎡
着工:2017年2月/竣工:2017年10月

最初は玄関も二つの完全独立型二世帯住宅のプランでした。

家を建てるきっかけはそもそも、息子夫婦が結婚してこっちにくるという話でした。
家を建てるなら、じゃあ私たちも住めるようにしようか、というところからです。

お互いの世帯の生活を完全に自由にしたかったこともあって、最初のプランでは玄関も二つの完全独立型でした。
でも玄関まで2つにした時のことを考えたら・・・ご近所さんとの距離の近い、地域の輪の中で暮らしているような地域なのに、誰が来ているのかもわからないのはちょっと嫌だなって思ったんです。

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完成した家は玄関が一つのいわゆる「部分共有型」の二世帯住宅ですね。

はい、実は勝手口もそれぞれの世帯にあるので、普段の生活は完全に別々です。まるっきり。自由です。

それでも、玄関を一つにした作りにしてとっても良かったな、と感じています。
やっぱりお互いの来客が自然とわかります。
親世帯には近所のお友達や農作業を手伝ってくれるかた、子供世帯には幼稚園のお友達のご家族など、誰が来ているのか聞かなくてもわかる作りはとてもありがたいです。

■特徴的な長いテラスは長椅子を置いて農作業の合間の休憩にも

私たちは農業を営んでいるので、近所のかたやお手伝いに来てくださるかたと外で作業したりすることがあります。
そんな時に、この長いテラスと芝生スペースはとても快適で気に入っています。
夏になるとテラスに長椅子を置いて、外で作業をしてそのまま座って話し込んだりする。家に上がるまでもない、ちょっとしたコミュニケーションができてとてもいいなと思っています。

もちろん芝生の見た目もいいですよね。夏の照り返し対策もあると聞いていますが、コンクリートだけというよりは芝の緑色が目に入ってずっといいです。長椅子に座ってお話している時も評判がいいです。

子供たち夫婦もお友達を呼んでここでバーベキューをしたり。そんな時も誰が来ているのか自然にわかります。そうやって、親子の距離感が遠すぎず近すぎずちょうどいい塩梅になって。家を建てたことで、より良い親子関係になっていると思います。

子供や孫が集まれる和室を
親世代の和室へのこだわり

私たちの世代だと”家”といえば、茶の間があり中間があり仏間がある…それがあたり前なんですよね。なので、和室の空間はとてもこだわったところです。
正月やお盆に子どもたちがそれぞれの家族を連れて帰省してきたときに、みんなでご飯を食べたり孫たちが遊べるような。そんな和室が無いと、と強くこだわっていました。

でも予算の都合上、そんなに大きい部屋を取れませんでした。そんな中、黒田工務所さんは間取りや配置を工夫してもらってちょうどいい大きさで実現していただけた。そこがとても満足しています。

■帰省した家族が集まっての食事会もスムーズに行えるキッチンと和室の配置

■三枚引き戸と天井高の工夫で開け放つと実際の広さ以上に空間が拡がりを感じる

普通の和室よりも天井を高く作ってあると聞いています。それと、茶の間と仏間の仕切りが一般的な和室にあるふすまではなく、三枚の引き戸にしてもらいました。これがすごくいいんです。開け放つと茶の間から仏間まで本当にすごく広く見えます。

しかもこの引き戸、隣り合う洋風のキッチンダイニングスペースも考えて和洋折衷なデザインになっているんです。全体の調和も考えてあって。いうなればこの和室はハイブリッド和室になっている。さすが黒田工務所さんだな、と。
すごく気に入っています。普段からこの茶の間に座って庭を眺めるのが大好きですね。

■こだわりの茶の間から庭を眺めるこの席は、お父様のお気に入りのいつもの場所

扉を開けるとまったく違う雰囲気。
子世帯は子世帯のこだわりとここちよさを。

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子世帯の家も和風な作りにしているのかなと想像していたのですが、全く雰囲気が違いますね。別の家のようです。

完全に洋風の家です。リビングは間接照明になっていて、明るくしたり暗くしたり。その時の気分やシーンによって変えられるようになっています。
特にリビングに大きな窓を入れてもらったので、昼間は電気をつけなくても明るいです。

しかもこの窓、冬は暖かい日差しを家の中に取り入れてくれるようになっているそうです。
そう聞くと夏は暑いんじゃないの?と思われるかもしれませんが、夏は大きな庇(ひさし)のおかげで日差しが入ってこないように計算して作ってくださっていると聞いています。

■冬の暖かさと夏の涼しさの両方を実現する窓と屋根。平らな無落雪屋根で雪かき要らず。

来客があったときに簡単に生活感0(ゼロ)の空間にしたい。
ちょっとした手品のような仕掛けのあるキッチン。

地域とのつながりの強い土地柄、きっと来客はあるだろうなと思っていたので、来客があったときでもすぐに生活感が無いように目かくしができるようにして欲しい、という希望を話しました。

その結果、取り付けていただいたのが、この大きなパーテーションのような扉です。
奥の家事スペースを手品みたいにあっという間に隠すことができます。
この仕掛けはものすごく満足しています。

■キッチンの奥の扉で急な来客でも生活感の見えないキッチンへ早変わり

そのほかにリビングの壁の裏側など来客に簡単に見えないところに収納や、脱衣室の入口などがあります。オープンになっているように見えますが生活の部分は実は全部隠れている。しかも行き止まりのないぐるぐる回れる間取りになっているので、動線のストレスは感じません。

しかもカーポートからすぐ勝手口に入れるようにしています。その勝手口がパントリー(食糧庫)の中にあるんです。買い物から帰ってきて直ぐに収納することができて。そしてその勝手口兼収納庫から家に入ってすぐのところに冷蔵庫があるので、本当に楽ちんです。
勝手口と玄関が別々にあるので、お友達が来た時にはいつも綺麗な玄関から上がっていただいて。
そういう意味でも、共有の玄関は普段の生活でもとても便利です。

冬暖かくて夏涼しい
自然の力も利用した心地よい家

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玄関に入ってすぐ「暖かいな」という感想を持ったのですが、エアコンは何台使っているのですか?

床下エアコンが親世帯の茶の間と寝室に1台ずつと、子世帯に1台。それと親世帯のダイニングに1台の計4台です。床下エアコンを設置してもらったことで、冬でも子どもが裸足で走り回っても全く冷たくありません。今日(12月下旬)で温度計は22度になっていますね。

また、ダイニングのエアコンは本当に夏の暑い日にちょっと使うくらいで、その他はほとんど使いません。廊下の吹き抜けの北側に風が抜けていくように窓を作ってもらっています。夏はこの窓を開けると自然のいい風が家の中を通り抜けていくのでとても気持ちよくすごすことができています。しかも吹き抜けがあると、ちょっと家が贅沢に見えていいですよね。

■吹き抜けの北側に設置した窓を利用して天然の風を利用した冷房効果を

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